第11章 男に頼らず自分に頼る

夜は深く沈んでいた。

バーの外で運転手がアクセルを踏み込み、車は二人を乗せて滑るように走り出す。

車内はさっきまでの喧噪が嘘みたいに静かで、白石羽奈はようやくシートに背を預け、余裕ぶった顔で佑奈を見た。

「さっき、揉めた?」

佑奈は唇をきゅっと結ぶ。

「うん。佐伯薫に、二つ見せられた」

「二つって?」

「有川家が“嫁”に渡す翡翠のバングル。それと……私が菜央に渡したお守り」

白石羽奈は目を見開き、言葉を失ったように佑奈を凝視する。

「ちょっと待って。まさかそれ、二年前にあんたが慶雲寺まで行って……一歩ごとに拝んで、膝ついて願って、もらってきたやつ?」

「そう」

佑奈はか...

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